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RJ-45ポートが実装されていないThinkPadでEthernetを使用する

Ryota Motojima | | | リンク |

2022年以降にリリースされたCommercial ThinkPadでは、RJ-45ポートを物理的に実装した一部の14インチ以上の製品以外の製品において、イーサネット拡張コネクター(ネットワークポートの形状変換のみを行うNative Ethernet ポート)が廃止されました。この変更に伴い、RJ-45ポート非実装製品においてRJ-45接続のニーズがある場合、ドッキングステーションやアダプター、トラベルハブなどを用いたUSB Type-Cポート経由での拡張が必要となります。

MAPT(MAC Address Pass Through)を使用する

MAPTとは、PC本体にあらかじめ設定されたMACアドレスにファームウェアレイヤーで上書きすることで、ネットワーク側から確認可能なMACアドレスをアクセサリー固有のMACアドレスではなく、本体側にプリセットされたものに変換する機能のことです。Commercial ThinkPadでは、UEFI設定上でMAPTの有効化 / 無効化を切り替えることが可能です。

MAPTを有効化するには、BIOS Setup UtilityからUEFIの設定にアクセスします。
シリーズ / モデルにより設定項目は異なりますが、多くの場合、Mainメニューを選択することでMAPT用に設定されたMACアドレスを確認することが可能です。以下のユーザーインターフェイスはThinkPad X1 Carbon Gen 10における例です。製品出荷時に使用される外箱のラベルにも「MAC1」に代表される項目名として、スキャン可能なバーコードと共に掲載されています。

MAPTの有効化に際しては、Configメニュー内、Networkを選択します(シリーズ / モデルによって異なる場合があります)。

Networkメニュー内にある設定項目名「MAC Address Pass Through」を有効化(On)することで、PC本体に埋め込まれたMACアドレスがアダプターやドッキングステーション経由でのネットワーク接続時に使用されます。設定をOffにした状態では、アダプターやドッキングステーション側で保持されているMACアドレスが使用されます。本機能は互換性が担保された純正アクセサリー以外ではご利用いただけません。

RJ-45ポートを物理的に持つ場合など、シリーズやモデルによっては複数のMACアドレスを選択可能な場合があります。その場合には、設定可能な選択肢がDisabled – Internal MAC Addresss – Second MAC Addressと複数存在します。

Wake on LAN(WoL)への対応

Wake on LAN(WoL)とは、ネットワークを介してコンピュータの電源を遠隔で投入する技術のことです。RJ-45ポートを持たないCommercial ThinkPadにおいてUSB Type-Cポートを介してEthernet接続を行う場合、対応するドッキングステーションと共に使用する場合のみ、S5(電源断)からのWoLがサポートされます。Lenovo USB Type-C – イーサネットアダプターやトラベルハブは電源断時に継続した給電がアダプターに対して行われないことからマジックパケット(起動コマンド)を受信できないため、S5からのWoLには対応しません。

Intel AMTを用いたS5からの遠隔起動のサポート(vProモデルのみ)

Intel vProでは、インテル® アクティブ・マネジメント・テクノロジー(Intel AMT)と呼ばれる遠隔起動の仕組みが定義されています。RJ-45ポートを搭載しないvPro対応モデルにおいてAMTを用いた遠隔起動が必要な場合、Intel製NICを搭載し、Intel AMTをサポートするThunderbolt 4接続の純正ドッキングステーションをご利用ください。Lenovo USB Type-C – イーサネットアダプターやトラベルハブ、また純正のUSB Type-C ドックではIntel AMTによる遠隔起動はサポートされません。



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